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2022/07/27 12:36






安部仁美・木部大資
竹工二人展
- 心竹正対のとき -

2022年 8月6日(土) - 8月16日(火)
作家在廊日 8月6日(土)、7日(日)

竹工芸にひたむきで、天邪鬼な遊び心を持ち、誰よりも五感を研ぎ澄ましたものづくりを行う…
私が思う木部さんはとても面白い。

優しく穏やかな言葉でふんわりとした雰囲気に包まれるのに芯は全く揺るがない。

古典や伝統をその身に刻んだ上で、自分の感性を大事にし、遊び、楽しむことを忘れない。

こんなにも魅力的な竹工芸を表現できる人は他にはいないのではないだろうか。





木部さんが主に材料として使う煤竹(すすたけ)。

古民家の茅葺き屋根の骨組みとして使われていた竹で、囲炉裏やかまどから出る煤が100年以上もの間染み込んで飴色になった竹である。


端がナタで切り落としたままの姿だったり、枝を落とした跡がそのまま残っていたり、縄を巻いてあった跡が残っていたり…


同じものが二つとない煤竹の景色を眺めていると、この景色をどう活かそうか一年以上も悩むこともあるそうだ。


作り手によっては違う所に煤竹の美を感じ、全く別のものが生まれるかもしれない。

今ここにある作品は間違いなく彼の美意識と感性が宿ったものなのである。


同じものが二つとない一期一会の美しさを持つ作品との出会い。

この出会いに私はいつも心が躍ってしまう。







彼の作品を手に取る時、私は必ず縁(端)に見入ってしまう。


角の取り方、紙のような薄さ、曲線の滑らかさ…

おそらく数字では測れないような、手の感覚だけが感じることができる違いがそこには在る。


彼は箸を一膳作り上げるのに3・4回鉋の刃を研ぐ。

それほどに刃物の感覚、手に伝わる感覚を大事にしているのだ。


五感を研ぎ澄まし端々まで油断なく整えられた作品をぜひ触れて感じていただきたい。



今展では50膳以上の箸、20点以上の茶匙、茶則、茶通、茶杓、掛け花入、菓子切りなど、私も見たことがないほどの量と種類の作品が届く。

その全てが同じ形、同じ景色のない一点もの。


心竹正対のとき

彼の心と煤竹が一つとなって生まれた作品の数々。

その出会いのときを静かに待ちたいと思う。