2024/06/07 15:40
彼の庭に出る3メートル手前の小道が好きだ。
庭の全景は見えないが、草木の気配を確かに感じる。
どんな色の花が咲き、どんな香りが舞い、どんな声を聴かせてくれるだろうと私の五感は静かに待っている。
小道を進むと彼の庭が見えてくる。
足元にはスミレや水仙、遠くにアカシアやコブシ、中央には柳が咲いている。
庭のいたるところに散りばめられた草花の色は春の陽ざしのもとでうららかに佇んでいる。
彼は言う…
この庭の色の欠片を自分の絵として壁一面に広げたい。
ミモザっぽい色の紙切れ飾ってあるくらいがいい。
紙の上に色が在るだけで描ききっていない絵を描きたい。と。
しわくちゃに破られた紙。
にじんだ絵の具。
健やかに、奔放に育った庭の草花のように彼の絵もまた伸びやかで愛らしい。
今展は彼の庭に咲く色とりどりの草花たちの絵が並ぶ。
私は今、あの小道にいる。
どんな色の庭が広がっているのか、足を踏み入れる前の静かな胸の高まり。
私はその時を待っている。
桑迫賢太郎 絵画展
「ぽつぽつと佇む色の庭を。」
6月22日(土) - 7月15日(月)
作家在廊日 6月23(日)、7月7日(日)、7月15日(月)
雲仙在住の画家 桑迫賢太郎
彼の庭に咲く草花の色を描き留めた新作を中心に版画やカレンダーの原画など、これまでの作品も展示販売いたします。
在廊日には賢太郎氏による紙芝居の会も開催いたします。
私達の心深くに響く彼の言葉と絵。
4編の物語をどうぞご覧ください。
桑迫賢太郎 紙芝居の会
6月23(日)、7月7日(日)、7月15日(月)
11:00 - 12:00
参加費: 大人 ¥1,000、小学生以下 ¥500
※予約不要
※予約不要
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。